ロールパン文庫について

東京都練馬区でひらいている家庭文庫です。

文庫開放日 毎週水曜日・土曜日 14時〜19時
本の貸出をします。1回ひとり10冊まで。4週間以内にお返しください。
祝日とかさなるときはお休みです。
春休み・夏休み・年末年始などは変更になることがあります。こちらのページでご確認ください。

おはなし会 月1回
読み聞かせ、かみしばい、工作、その他月によって季節行事などをいたします。
おもに月後半の金曜日です。月によって変わりますのでこちらのページでご確認いただくか、おといあわせください。

午前の部 10:15〜11:00 ベビーから3歳まで
午後の部 14:15〜14:45/15:30〜16:00
どなたでも
未就学児は親子でご参加ください。
小学生以上も、初めての方は保護者とおいでください。

クリスマス会 年1回 12月
おはなし会とバザーをいたします。ロールパン文庫はメンバーの手弁当によって活動している無料開放の家庭文庫です。この機会にバザーに出品およびお買い上げいただき、ご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。

◉練馬区にある家庭文庫『ロールパン文庫』(住協チャンネル)
インタビュー記事はこちら




ロールパン文庫ができるまで

 ロールパン文庫の源流は、1965年に練馬区でうぶ声をあげた「ムーシカ文庫」までさかのぼります。

 童話作家のいぬいとみこ先生と、翻訳者の松永ふみ子先生が、中村橋の清和幼稚園の一室を間借りして始めた子どものための文庫。私はそこに幼稚園のときから大人になるまで、じつに20年以上通って本を読み続けていました。
 松永先生がお亡くなりになり、いぬい先生がご病気になって、ついにムーシカ文庫が幕をとじたとき、卒業生のだれかが継承することが望まれましたが、そのとき私はまだ子どもも小さく、お引き受けするわけにはいきませんでした。
結局ムーシカの本は栃木県益子町に引き取られ、「まーしこ・むーしか文庫」として生まれ変わりました。ですから本家本元のムーシカの本は、記念にいただいた一部のものを除いては私の手元にはありません。
 けれどもムーシカ文庫の影響を受けて子どものころから集めた本がいつのまにか1000冊以上になったことに加え、故松永ふみ子先生のご子息で、ご自身も翻訳家である松永太郎さんのご厚意により、ふみ子先生の遺品の蔵書をいただくことができました。大磯の松永先生のご自宅に伺い、たくさんの大切なご本を頂戴し、約1500冊近くの本でのスタートでした。
 その後、伊藤忠財団および練馬区図書館の助成、個人からの寄贈、バザー収益での購入などにより、現在では4000冊近い蔵書となっています。
 ひとりでも多くの子どもに、一冊でも多くの本を手渡していきたいと思っています。ぜひロールパン文庫に本を借りにきてください。


「ロールパン文庫」の名前の由来

 この名前はE.L.カニグズバーグの作品のひとつ『ロールパン・チームの作戦』(原題:About The B’Nai Bagels)からとりました。故松永ふみ子先生の名訳により日本の子どもたちにも知られるようになったこの作家の作品は、代表作『クローディアの秘密』のほか、『魔女ジェニファとわたし』『ぼくと〈ジョージ〉』『ジョコンダ夫人の肖像』『ほんとうはひとつの話』があります。カニグズバーグはこのあとも多数の作品を書いていますが、残念ながら松永先生は1987年に63歳の若さで急逝され、以後のものは他の翻訳者によって日本に紹介されています。
 『ロールパン・チームの作戦』は、初訳の出た1974年当時、日本ではべーグルというものになじみが薄かったために松永先生がお考えになった表題ですが、先生の死後、出版元の岩波書店ではカニグズバーグ全集を出した際に、書名だけを原題にそって『べーグル・チームの作戦』に変更しました。よって松永先生のつけた名タイトル『ロールパン・チームの作戦』という名前は今では見ることができなくなりました。(今でもお話の中身は松永先生の名訳で読むことができます。)
 このたび、松永先生の遺産である貴重な蔵書で文庫を開くにあたり、出版時のタイトルをみなさんに知っていただき記憶にとどめていただくために、そして私自身が松永先生の思い出を大切にするために、このかわいい言葉を愛称として使わせていただくことにしました。どうぞ『ロールパン文庫』を末永くよろしくお願いいたします。