ムーシカ文庫のこと

ムーシカ文庫のこと

 「ムーシカ文庫」は、児童文学者いぬいとみこの手によって1965年に産声をあげた家庭文庫です。

1965年4月~1969年3月 清和幼稚園
1969年4月~1976年12月 東京相互銀行
1977年1月~1988年3月 オオカミ原っぱのおうち

 この三つの時代に分かれますが、いずれも練馬区内で、毎週土曜日の午後、本の貸出と読み聞かせがおこなわれました。23年間にわたる活動のなかでムーシカ文庫を訪れた子どもの数ははかりしれません。
いま、30代~60代を迎えているかつての「文庫のこどもたち」は、それぞれの場で自立し、みちたりた人生をあゆんでいます。「子どものときに本を読む。それはとてもたいせつなこと」という先生方の信念がいまのわたしたちのしあわせを築いてくださったといっても過言ではないと思います。

 文庫が閉じられたあと、いぬい先生は闘病生活を送られ、2002年1月16日に永眠なさいました。その後、ご葬儀に参列した文庫卒業生たちが集まり、文庫の世話人だった方々やいぬい先生と文庫を通して交流のあった方々のご助言・ご協力をいただいて、この本をつくりました。

ムーシカ文庫の伝言板〜いぬいとみこ文庫活動の記録〜
『ムーシカ文庫の伝言板〜いぬいとみこ文庫活動の記録〜』
 ムーシカ文庫の仲間たち 編/てらいんく 刊
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追記:
◆清和幼稚園は、現在は存在していません。
◆東京相互銀行は現在東京スター銀行となりましたが、いまも建物は同じ場所にあります(西武池袋線富士見台駅南口)
◆オオカミ原っぱのおうちは、いぬい先生と松永ふみ子先生が文庫のために共同で購入したちいさなおうちです。ご遺族の手で今も保存されていますが、現在は賃貸住宅として使われています


ムーシカ文庫の資料について

 1988年に文庫が閉じられたあと、オオカミ原っぱのおうちはしばらくいぬい先生の創作活動に使われていましたが、いぬい先生入院後の1996年、本と本棚、そして貸出用の物品(はんこ、貸出カレンダー等)が栃木県益子市の「まーしこ・むーしか文庫」に移転されました。
 個人名の書かれた「貸出カード」「入会カード」「貸出記録」などは、住所のわかっている方に関しては木下惇子さんが個別に郵送なさいました。
 その他の数百人分のカード類と書簡を、アルバムや「おたより」とともに、ロールパン(小松原)がおあずかりしています。
 かつてムーシカ文庫にいちどでも足を運んで本を借りたことのある方、ご連絡いただければさがして、カードが見つかればお送りいたします。このホームページの「おといあわせ」を通してご連絡ください。
 また、文庫生でなくても、全国の子どもたちからいぬい先生に送られたファンレターもおあずかりしています。必ずご期待に添えるかどうかわかりませんが、いぬいとみこ先生にお手紙を書いたことがある方もおといあわせください。こちらも見つかればお送りいたします。当時のお名前・住所もお知らせいただけると助かります。


ムーシカ文庫卒業生のきずな

  2004年に『伝言板』の本を出版して以来、オンタイムでは顔も知らなかった文庫卒業生同士の輪ができています。年代にかかわらず、「子どものときに同じ本を読んだ」というだけでこんなにも心が通じ合うものかと思うような、一種のリユニオンにもなっています。
 卒業生のひとりがムーシカのウェブサイトを制作してくれました。

 http://playboater.cocolog-nifty.com/

ホームページ「木かげの家」です。ぜひムーシカ文庫の思い出を投稿してください。